株式会社エビソル
製品・サービス
LINE WORKS AiCall
お話を伺った方
株式会社エビソル 代表取締役 田中 宏彰氏

飲食業界の課題を音声AI活用で解決! ピークタイムの電話応対負担を半減、 顧客満足度も向上したLINE AiCallの活用

本事例のポイント

-課題:

・飲食店予約内容のデジタル化とデータ活用
・店舗負担の多い当日予約電話応対の自動化
-期待:

・電話応対Alサービスによる予約内容のデジタル化
・音声AI技術、複数予約サイトコントローラーの活用による電話予約応対の自動化
-成果:

・コ自動化により電話応対負担が半減
・コ店舗サービスの拡充
・顧客満足度の向上
・データ活用によるサービス価値の向上

 

株式会社エビソルとは?

株式会社エビソルは、「“体験”をアップデートして社会に貢献する」をミッションに掲げ、飲食サービスや観光サービスのDX推進を支援。
飲食店予約管理システム「ebica」を基軸に外部システム連携により様々なデータを蓄積し、業界初となるグルメサイトコントローラーや、空席データと連動したAI電話予約応対サービス「AIレセプション」により、全ての予約管理の自動化を実現。顧客減少や人手不足など様々な課題に直面している外食産業において、スタッフが接客や調理など「ヒトにしかできない仕事」に集中できる環境を創ることで、顧客の満足度を高め、スタッフの生産性向上を支援するサービスを提供しています。

 

コロナ禍で新たに生まれた飲食業界の課題とは

田中さん :

飲食業界はこれまで長い間、少子高齢化と働き手不足の問題に悩まされてきました。現在はそれに加えて新型コロナウイルスの流行による店舗運営体制の変化やGo To Eatキャンペーンの対応など、わずか1年未満の間に状況が目まぐるしく変化しています。特にコロナ禍で大きく変化したのが、消費者のニーズです。

緊急事態宣言で外食ができなくなり、消費者はデリバリー・テイクアウト・お取り寄せなどで食を楽しむ方向にシフトチェンジしました。その後、緊急事態宣言が解除されてからも、外食を楽しむ方は以前の水準に戻っていません。飲食店様の予約数を見ても、客数が戻っていないことは明白です。

その状況を打破するためにGo To Eatキャンペーンが実施されていますが(※)、コロナ禍の影響は大きく、席の間隔を空けての営業やグループサイズの変化(1グループ平均4名から平均3名に減少)があり、満席でも売上は例年の7〜8割という飲食店様も多い状況です。

現場の状況からも、コロナ禍の影響による消費者のニーズには大きな変化が見て取れます。「テイクアウトでも十分」「デリバリーであの味が家で楽しめる」となると、飲食店側がお客様に対して「外食することの価値」をこれまでよりもわかりやすく示す必要性があるといえます。

場や雰囲気、スタッフとのコミュニケーション、お店でしかできない体験を楽しむことや、家にはないものを求めて、「外食」を積極的に選んでもらえるような理由付けが必要になってくるのです。

飲食業界の新たな課題解決に欠かせない「データ活用」

田中さん :

外食でしかできない体験を楽しみに来てくれるお客様を増やすために欠かせないのが、「データの活用」です。そもそも弊社が飲食店向けにネット予約サービスを始めた理由の1つは、「ホテルや航空券などはネットで即予約できるのに、なぜ飲食店だけはネット予約が進まないのか」と感じたことにあります。ネット予約が進めば来店データが自動でデジタル化でき、予約いただいたお客様のデータが蓄積されます。

これまでの来店でどんなものを召し上がったのか、食やお酒の好み、ご家族・友人・パートナーなどの利用パターン、普段使いかそれとも特別な日にご来店いただいたのかなど、さまざまなデータがないことには、お客様1人1人に最適な「お店でしかできない」サービスを提供できません。

外食を選んでもらうにはこのようなデータを蓄積し、新しい体験を提供できるような準備が必要です。しかし、このようなデータを蓄積できている飲食店はまだ少ない状況で、飲食業界の大きな課題の一つだと言えます。

 

 

「ebica予約データ分析」からもわかるように、2012年はネット予約が1割ですが、2019年の最近になってもまだネット予約の割合は半数にも満たない状態です。

Go To Eatキャンペーンなどの新しい施策を取り入れるにも、データ活用が欠かせません。ただ制度を受け入れるだけでは、キャンペーンによる単価減少と、コロナ禍によるグループサイズの減少で客数は伸びても売上があまり上がらず、逆に利益を圧迫する結果を招いてしまいます。

自店舗の利用頻度・シーン・パターンなどがデータ化できていなければ、施策を利用して成長するのはとても難しいです。データ活用を可能にするデジタル化、そして“ヒト”がやらなくていいことをAIに任せ、“ヒト”は外食を楽しみに来たお客様の接客や、外食ならではの料理の提供に注力できる環境を創ることが今後の飲食業界にとって重要になると考えています。

そこで予約のネット化を進めるべく奔走していたのですが、飲食店の予約=電話というユーザーの消費行動を変えることは難しく苦しみました。その後は消費行動を変えずに電話予約をデジタル化できないかと試行錯誤し、自動音声通話やコールセンターなどにトライしました。しかし、どれも一長一短で課題解決にフィットするサービスが見つけられていなかったのです。

 

LINEの音声AI技術を活用し、『AIレセプション』をリリース

 

田中さん :

「どうやったら予約をデジタル化できるのか…?」と方法を模索し続けていたところ、2019年のLINE CONFERENCEで電話応対AIサービス「LINE AiCall」(※)に出会ったことが大きな転機となりました。「これなら電話予約のデジタル化とデータ蓄積が実現できる!」と強く感じ、その滑らかで自然な会話と音声にとても驚いたことを鮮明に覚えています。

※「LINE CONFERENCE 2019」当時は、音声AIプラットフォーム「DUET」という名称で発表

LINEさんとすぐに話を進め、お店の負担を軽減しながら電話予約をデジタル化できる音声AIサービスを開発することになりました。

 

まずは、特にお店の負担が大きく、かつ音声AIでも応対できる当日の電話予約に的を絞り、LINEさんと商品開発に着手。2019年11月〜「LINE AiCall」を活用した実証実験をスタートし、2020年10月1日に『AIレセプション』というサービスをリリースしました。

AIレセプションとは?

飲食店にかかってくる予約電話に「LINE WORKS AiCall」(AIスタッフ“さゆり”)が応対し、そこで聞き取った内容と飲食店向け予約管理システム「ebica」の空席データをリアルタイムで参照することで、さらに予約登録までを自動化するサービスです。
お客様はいつも通りお店に電話をかけて、「◯日の✕時から△名で予約したい」と伝えるだけでOK。その後はヒトと会話しているような自然な音声が特徴のAIスタッフ“さゆり”の質問に答えるだけで、簡単に予約が完了します。
お客様との会話内容はすべて記録されているので、情報がわからないと心配する必要もありません。スタッフが電話対応をしなくても予約が完了するため、目の前のお客様に集中することができます。

※LINE AiCall → LINE WORKS AiCall

 

店舗の電話応対負担を半減!サービスの拡充を叶えた実証実験

証実験前の仮説通り、当日店舗にかかってくる電話の50%が予約関連の電話で、残りの50%はその他のお問い合わせや相談でした。実証実験を行った店舗では、1日にかかってきた電話の28件中15件が予約の電話で、この15件をすべて『AIレセプション』が応対しました。

お客様が指定された時間の予約が無理な場合は、他の空いている時間への誘導、もしくはお断りまで応対します。「今から入れますか?」という問い合わせにも、複数のサイトの予約情報とリアルタイムの空席情報を突き合わせてすぐにご案内します。

店舗スタッフ(ヒト)が電話応対した場合を考えると、75分間(最大5分×15件)動けなくなる可能性があるのですが、『AIレセプション』を利用することで、この75分間はヒトで応対する必要なくなります。

 


このデータを見ても、コロナ禍でピークタイムの直前予約による電話応対が増加しています。ピークタイムに電話応対で最大75分も取られる状況と、電話を気にせず接客・サービスに集中できる状況に大きな違いがあることは飲食業界の皆様ならわかっていただけるはずです。

 

コロナ禍に店舗が抱える3つの課題をクリアした『AIレセプション』

田中さん :

現在店舗が抱えているリアルな課題は、①コロナ禍で人手不足の状態、②当日の直前予約電話の増加、③Go To Eatキャンペーンによる忘年会シーズン並の繁忙、の3つです。人手不足の状態で来客対応だけでも忙しい状況下で、電話応対の増加によって負担が増えているため、店舗スタッフはかなり苦しい状況に立たされていることがわかります。

この状況を打破するためにも、音声AIを活用した『AIレセプション』が活躍しています。

 

導入店舗の声

俺のフレンチ・イタリアン青山店 店長様 

 

AIレセプションを導入した一番の成果は、ご案内・お会計・電話の3つを担当するアテンド係の負担が減り、目の前のお客様により集中できる環境が作れたことです。飲食業では電話一本を受けるところからサービスが始まるため、かかってくる電話が取れないのは大きな機会損失です。ご案内はお客様との初対面となるのでとても重要ですし、お会計でお待たせすることもサービス提供者としてNGだと考えています。

弊店には子機が2台あるので、アテンド係が対応中の場合はもう1人がカバーするような体制になっていますが、AIのおかげで余裕を持った対応ができるようになっています。ご案内・お会計対応だけでなくサービス提供に集中できるので、とても助かっています。

電話をAIにお任せできるという安心感は、想像以上に大きな効果だったと実感しています。

 

『AIレセプション』の導入前、導入後の変化 :

『AIレセプション』を導入する前は、AIといっても「なんとなく便利になるんだろうな」という程度で具体的にどんなメリットがあるのか、あまりイメージできていませんでした。

『AIレセプション』を導入した当初は慣れませんでしたが、AIで電話を受けてもらえる効果が想像以上に大きいことに気づきました。

電話を気にせずお客様に集中でき、店舗でのサービスが充実すると実感できたのはもちろん、精神的にも大きな影響があると感じます。今ではお店のスタッフ同様、“さゆり”と名前で呼ぶほどお店に欠かせない存在になっています。

 

AIレセプションを利用したお客様の声

 

実際に『AIレセプション』を利用されたお客様の声としては、好意的な反応が約9割と高い結果になりました。(※店舗で行っている『AIレセプション』を利用されたお客様に対するアンケート結果より)

 

●ご利用いただいた感想
●初めてAIを利用した予約を行ったが、とても便利でした。
●初めてのAI体験でおもしろかったです。
●びっくりしましたが、ちゃんと会話ができました。
●お店のスタッフが相手だと忙しいところに電話して申し訳なく思って焦ったり、相手の話し方が早くて聞き取りづらくても聞き返しにくかったりする。AIによる案内を今後もぜひ続けていただきたいです。

 

上記のようにお客様の声としては、最初は驚いたけれど思った以上にしっかり会話ができた、無事予約できたのでAIでも満足などの好意的な意見が多く見られました。

 

エビソルが今後目指したい未来

田中さん :

弊社が展開する飲食OMO事業は、リアルな飲食業とオンラインをつなげるマーケティングを目指す事業です。集めたデータをグルメサイトなどの周辺事業者やITと連携することによって、飲食業の販促に役立つシステム構築を目指しています。『AIレセプション』も、その一環となるサービスです。

弊社のサービスを活用いただくことで、消費者には、好きなタイミングにお店の状況を気にすることなく、『AIレセプション』で簡単に予約ができる環境を提供することができます。また、来店された際に召し上がったメニューがオンラインにデータとして蓄積され、そのデータを元に次回は好みのメニューをご提案し、新たな外食体験を楽しんでもらう、そんなことを可能にします。

対消費者だけでなく、飲食業の成長にも蓄積されたデータを活用できます。客数・客単価・回転数・時間帯ごとの人気メニュー・利用シーンなどのデータがあれば、より繁盛店舗になるためのヒントが得られます。

もともと日本の飲食店が持つ「おもてなし」の素晴らしさは、このようなマーケティングをすればさらなる価値向上ができますし、消費者にとってもそういった外食体験ができることは大きな楽しみとなるでしょう。また、おもてなしを体験したことのない諸外国の方にとっても、きっと素晴らしい体験となるはずです。

本来日本の飲食業が持っているポテンシャルを最大限に引き出し、消費者・飲食業双方が幸せになる世界を実現するために、これからも飲食店をサポートし、飲食業界の活性化に貢献していきたいと思っています。例えば、受付表を使っていたある企業では、その帳票をSHIORIに代替することで、タブレット上で手書きした文字をデータ化し、CSV出力することができるようになります。現場では変わらず手書きで受付ができるためオペレーションを大きく変えるなどの負担が少ないですし、本部では受付で得た情報をデータ化してCSV出力し、情報を活用することもできます。我々はただ作業を効率化したいのではなく、あくまでお客様ファーストなので、お客様対応の品質向上と作業効率化を両立したいと思っているんです。

 

LINE WORKS AiCallの5つの導入理由

-当日予約の電話を自動化することで店舗負担を半減
-自動化による店舗サービスの拡充
-電話予約を自動でデータ化することで、マーケティングへの活用が可能に
-顧客満足度の向上
-データ活用によるサービス価値の向上

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※掲載している内容(製品名含む)、所属やお役職は取材を実施した2020年11月当時のものです。