上新電機株式会社
製品・サービス
LINE WORKS AiCall
お話を伺った方
情報システム部 課長代理 阪上和也氏  
情報システム部 執行役員 情報システム部長 木原辰浩氏
  営業統轄部 課長 水本次郎氏
  ジョーシンサービス 課長代理 柴田佐俊氏

夜間の電話による修理受付をAIで自動化。 「繁忙期の呼量増加」「朝のコール集中」… 季節や時間帯による受電数を分散し、受電集中を解消

上新電機株式会社とは?

「ジョーシン(Joshin)」の名称で、全国218店舗(2021年12月末)の家電量販店を展開。変化の早い時代においても「まごころサービス」を心がけ、地域の人々に愛される店舗づくりをしている。お客様のお困りごとや要望を聞き、お客様の立場に立って提案すること、お役に立てるように絶え間なく商品勉強会を繰り返すことが伝統。顧客層が老若男女幅広いため、誰にとっても心地よいサービスを模索し、実行し続けている。

上新電機株式会社では、2021年9月に出張修理受付の電話窓口にLINE WORKS AiCallを導入し、コールセンター(有人対応窓口)の営業終了後の修理受付を自動化しています。電話応対を自動化することで、朝や繁忙期の呼損率を改善し、店舗へかかってきていた電話件数を削減するなど、電話窓口の課題解決に取り組む同社に、LINE WORKS AiCall導入の経緯や効果を伺いました。

 

本事例のポイント

-課題:

・時間帯や季節によって受電数の格差が大きく、対応人数の増減調整が困難
・コールセンター営業開始後の朝にコールが集中し応答率が低下
・インターネットが苦手な人でも時間に制約されない受付チャネルの整備
-期待:

・出張修理依頼が殺到する繁忙期に向けた受電環境の整備
・朝のコールセンター営業開始2時間におけるコール集中の解消
・営業店舗にかかってくる出張修理依頼の電話件数・対応時間の削減
-成果:

・コールセンター営業時間外の夜間の修理受付をLINE WORKS AiCallで自動化
・コールセンター営業開始2時間におけるコール数の分散・対応負担の軽減
・営業店舗の電話応対負担を軽減・接客に集中できる時間を確保
・お客様の希望するチャネルの環境整備・サービス品質向上

 

「繁忙期の呼量増加」「コールセンター営業開始後の朝にコールが集中。店舗へ電話がかかってしまう」…電話の件数を減らし、エフォートレスな体験を

上新電機様で普段対応されているお問い合わせはどのような内容で、どういったチャネルを設けていらっしゃるのですか。

木原(執行役員 情報システム部長)さん :

私ども上新電機は、家電製品を扱っておりますので「使い方がわからない」「故障した」「調子が悪い」「配達時間」「工事時間」などのお問い合わせを店舗、コールセンター(電話)、インターネット、などのチャネルで受け付けています。
なかでも「修理依頼」に関するお問い合わせは非常に件数が多く、しかも対応に時間がかかります。それはお客様にお尋ねする項目が非常に多いためで、お名前・ご住所・お電話番号・会員番号・品名・品番・メーカー・ご購入日・購入店舗・長期保証加入の有無・症状・頻度など非常に多くの情報をお客様から聞き出したうえで訪問予定日の打ち合わせをしており、店舗やコールセンターでの電話対応時間は1件あたり15分以上かかっております。

今回の「出張修理電話受付窓口」にLINE WORKS AiCallを導入し、解決したかった課題は3つあったそうですが、詳しくお教えいただけますか。

木原さん :

1つめは、シーズン毎に繁忙期が極端に集中してしまうことです。エアコンや暖房器具などの季節家電は、お客様のシーズン使い始めが一斉なんです。使い始めが一斉ならば修理依頼も一斉で、突然に電話件数のピークを迎えます。最盛期の夏場には、受電数が通常月の2倍から2.5倍まで増えます。受電数は気温の変化に左右されますので待機していただくコールセンターのオペーレータ人数調整が非常に難しいのが実状です。またピーク時期は当然コールセンター営業時間外における受電数も増えるので、そのあたりの対応に困っていました。

2つめは、朝の時間にコールが集中することです。有人受付のコールセンター窓口は9:00~19:00と限られているため、(営業時間外に発生した故障があると)お客様はコールセンターの営業開始時間を待ってお電話されます。朝、営業開始後2時間に電話が殺到してしまいます。応答率が極端に下がるので、お客様にご迷惑をおかけする状況を何とか解決したいという思いから、営業開始前に受け付ける方法はないのか、と模索していました。

3つめは、コールセンター営業終了後に修理依頼の電話が店舗にかかってしまうことです。電話対応に時間を割かれてしまうため、店舗にいらっしゃったお客様への接客時間が減ってしまい、ご迷惑をお掛けしておりました。

なぜ他のチャネルではなく、電話窓口の課題解決を優先的に取り組もうと思われたのでしょうか。

木原さん :

出張修理依頼はチャットボットやホームページを経由してインターネットでも受付できるようにしておりますが、申込件数がまだまだ10%にも届いていません。存在を知らない、インターネットが苦手という方が沢山いらっしゃると思われますので、電話で自動的に受け付ける方法をずっと探していました。
また、店舗の販売員には、ご来店客の接客に集中させたいという思いがありまして。そのために電話件数や電話作業時間を減らすことを目指しました。チャットボットでよくある質問を回答できるようにしたり、コールセンターオペレーターを最大限有効活用できるようにしたりするなどの工夫です。しかし、コールセンター営業時間外は店舗で受電するしか術がなかったので、その解決策として音声自動応答システムのような仕組みを探していました。

 

会話の受け答えの自然な「間」に驚いた。100万アイテムの製品データを元に、「しろくまくん=エアコン」など、お客様の発話表現と該当製品をマッチさせる仕組みを確立

LINE WORKS AiCall導入の一番の決め手は何だったのでしょうか。

木原さん :

LINE WORKS AiCall自体は、日中のコールセンター業務を提携している会社から、LINE WORKS AiCallの仕組みが非常にいいですよ、と教えてもらいました。サンプルデモを聞いてみたところ、違和感を感じさせない声の品質レベルが高く、私たちが持っていたイメージよりも遥かに自然な受け答えで、非常に驚きました。特に驚いたのは、会話の「間」。人の声を聞いてAIが回答する間の取り方がとても自然で、これならお客様もストレスなくお話ししてくださるのではと期待しました。

 

阪上(情報システム部 課長代理)さん :

よく世間で聞く「ナビダイヤルに接続します」というような一般的なIVR程度だと思っていたのですが、本当に自然で驚きました。全体で短くとも8分程度は対応時間が必要になると想定していたのですが、これだと違和感なく最後までお客様に答えてもらえるのではないかと期待がもてました。

※LINE AiCall → LINE WORKS AiCall

 

柴田(ジョーシンサービス 課長代理)さん :

LINE WORKS AiCall以外にも何社か比較させていただきましたが、 LINE WORKS AiCallの自動応答はごく自然に返ってきましたし、導入後は実際、ご年配の方などは人間が受け答えしていると思われて、AIに話しかけておられましたので、御社の技術は大変素晴らしいと実感いたしました。

ありがとうございます。導入を決めていただいた後は、開発準備に入ると思いますが、開発まわりで一番苦労されたことがあれば、お教えいただけますか?
(開発期間は約5か月。上新電機様のプロジェクトメンバーとLINE WORKS AiCall関係者で毎週定例会議を開き、開発を進行)

木原さん :

修理受付では、修理対象の品名を特定することがとても重要で、お客様からのヒアリング情報で確実に聞き取らなければなりません。メーカー名とテレビや冷蔵庫などの対象品種、その上で品番を聞く。この3つの要件から、「このメーカーのこの冷蔵庫ですね」というのが明確になります。
ただ、お客様の中には、「エアコン」を「クーラー」と呼ぶお客様もいれば、「しろくまくん」などの商品名で話す方もいらっしゃるので、お客さまが依頼している内容を確実な情報にする。ここが開発としては苦労した点ですね。
このあたりは、コールセンターの実務部隊の意見を積極的に取り入れることを意識し、お客様が「こんな言い方をされます」というノウハウを全てAIに学習させました。

 

阪上さん :

あとは、何のことをおっしゃっているのかをきっちりデータとして取れるのかという懸念がきっかけで、型番の聞き取り精度をより高めるために、LINE WORKS様からは不規則な型番に対応するため、音の構成要素で型番をマッチングさせる方法があると提案があり、製品型番のデータベースを作ることにしました。
私どもの方では、最初に対象となる型番100万アイテムのデータを提供させてもらいました。そこから
LINE WORKS様で修理依頼に必要な型番情報をいれたデータベースを作っていただき、お客様が普通に話されても、対象商品を特定する仕組みができあがりました。

※LINE AiCall → LINE WORKS AiCall

 

(注釈)型番は不規則な文字列であるため、現状の音声認識技術では正しく認識することが困難です。そのため当シナリオでは、Dデータベースと発話を音素(音の構成要素)でマッチングさせ判定をおこなっています。自社で技術開発を行っているLINEだからこそできる取り組みです。

データベース化したことで、お客様の発話内容と商品情報をマッチングしやすくすることができたんですね。有人オペレーターとAIオペレーターのヒアリングの順番や項目などは同じなんでしょうか?

水本(営業統轄部 課長)さん :

ほとんど違いはないですが、住所の聞き方を少し工夫しました。

 

木原さん :

テスト検証では住所が聞き取れないことが多かったんです。聞き方や順番など色々と試行錯誤した結果、ミスする件数がぐっと減りました。

夜間修理受付をLINE WORKS AiCallで完結!影響のあった朝のコール集中や店舗への電話が分散。今夏の繁忙期での活躍に確信がもてた

導入後、実感された効果や導入してよかったことはありましたか?

阪上さん :

朝のコール集中が解消されたことですね。あとは、皆さん仕事が多様化して、仕事の合間に電話したいと思った時に、LINE WORKS AiCallで対応できるのがいいと思います。

 

柴田さん :

お客様にとって、話中のボタン操作も必要ありませんし、あたかも人と会話しているような感覚で誘導をし
ますので、インターネットが苦手なお客様でも、コールセンターの受付時間を気にせず出張修理のお申し込みをしていただけるようになったのではないでしょうか。コールセンター営業時間外におけますサービスレベルの向上に寄与できていると感じています。

 

阪上さん :

あとは、受付完了後には、受付内容をお客様にLINEで自動通知を送る仕組みも取り入れました。(夜間に修理受付をした際に、上新電機のLINE公式アカウントに修理受付済みのメッセージが届く仕組み)「ちゃんと受付できたのかな?」というお客様の不安を解消できたことも大きかったかなと思います。夜中にAIで受け付けた修理に対しての問い合わせはほとんどなく、とても助かっています。

 

木原さん :

実はつい先日、とあるメーカーでTVの障害があって、ものすごい数の電話がコールセンターにも店舗にもかかってきました。コールセンターの営業終了後にも、お客様からたくさんの入電があって。営業時間外のコールは全てLINE WORKS AiCallが受けてくれました。それは、本当に助かりましたね。これから迎える夏の繁忙期に向けて、LINE WORKS AiCallという心強い味方を得ることができたと、今後の対応にも期待しております。

 

LINE WORKS AiCallという強い味方と共に、繁閑関係なくエフォートレスな体験を提供し続ける

早速、繁忙期と同じような状況でお役立ていただける出来事があったんですね。
さて、今後についてですが、上新電機様でこれから注力されたいお取り組みなどをお教えいただけますか?

木原さん :

今はLINE WORKS AiCallの活用する場面をもっと広げていくことを検討しています。例えば、店舗の受電の一次対応や、ECサイトにおける電話問い合わせ対応など、電話をAIオペレータが受けて自動化できる可能性は多岐にわたると考えています。

 

水本さん :

今すぐではないですが、電話はAIオペレータが対応してくれ、その後の処理も含め全てをLINE WORKS AiCallが対応してくれるのが、一番いいですよね。ただ、家電量販店だと専門用語が多いので、聞き取りにくいものがあるから、なかなか全ては難しいかもしれない。でも、AIに頑張って学習していただいて、最終的には全部AIで完結できるといいなと。

 

木原さん :

あとは、お客様のご自身のライフスタイルに合わせて、24時間の中で好きなタイミングで、様々なチャネルから商品やサービスの申し込みができるようにしていきたいですね。
また、高齢化社会の中で、お店まで足を運ぶことができないという方が増えてきます。そうすると、ご自宅にいながら電話からでも、パソコンからでも、テレビからでも、リモートで商品をお求めいただける、あるいはお困りごとが相談できる、そういったことを受けられるような体制にし、常にそういったサービスを提供していくということが、重要だと思っています。

 

LINE WORKS AiCallの4つの導入利点

-季節や時間帯に集中する電話対応をAIが対応し、有人オペレータの負担軽減
-人が話しているかのような自然な応答を実現
-受電率が下がることによるサービスレベルの低下を防止
-店舗への入電を減らし、来店したお客様への接客時間を確保

 

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※掲載している内容(製品名含む)、所属やお役職は取材を実施した2022年5月当時のものです。