電話によるお問い合わせをAIで自動化
繋がらないを解消し、顧客満足度向上へ


ソフトバンク株式会社
コンシューマ事業統括カスタマーケア&
オペレーション本部CS企画統括部 統括部長
土屋 馨 氏
- 業種: 情報通信業
- 導入製品: LINE AiCall
掲載日:2022.11.7
※本文内の社名などは掲載日時点のものです


まとめ
100以上のコールリーズンが存在する、「ソフトバンク カスタマーサポート」へ、LINE AiCallの導入
LINE AiCallのもつ、なめらかな音声合成と高い音声認識精度 / 導入に向けてのフォローアップ体制が決め手
有人オペレータとAIオペレータのハイブリッド運営で、顧客満足度向上と、業務効率を実現
数千万人の携帯電話契約者を抱えるソフトバンク株式会社の電話総合案内窓口である「ソフトバンク カスタマーサポート」。
問い合わせ内容は、スマートフォン本体の使い方、修理、契約内容、キャンペーンや特典内容など多岐にわたっており、コールリーズンは100を超えており、電話だけでなくWebサイト、専用アプリ、チャットなど様々な問い合わせ方法を提供しています。
2022年8月、同社では顧客からの問い合わせに対応するためにLINEが提供する電話対応AIサービス「LINE AiCall」を導入し、
AIオペレータが有人オペレータに代わって一部お問い合わせ対応を開始しました。導入に至った経緯、導入時の苦労、今後の展望についてお伺いしました。
電話によるサポートの方が適していることもある
-Z世代を中心にデジタルネイティブな世代では、アプリやチャットを使ってセルフサービスで必要な情報を得ることが多いと思いますが、電話でのお問い合わせというのも、多くあるのでしょうか。
土屋:はい。若年層に比べて高年齢層の電話による問い合わせニーズが高い傾向はありますが、必ずしも年齢だけではありません。
単に情報を得るのではなく、相談したいというケースが存在しているからと、我々は考えています。電話によるお問い合わせで多いのは、請求金額、支払い状況、料金プランなどの確認を起点として、最適な料金プランや支払い方法をご相談されるケースです。
さらに、新しい料金プランや解約のご相談など、お客様にきちんとご説明が必要なケースでは、電話によるご相談を推奨しているケースもあります。顧客満足度の向上と効率化を実現するためにAI導入
-ソフトバンク様は2022年8月よりLINE AiCallをご導入いただいています。LINE AiCallを導入するきっかけになった、当時の課題について教えてください。
土屋:電話による問い合わせで最も困るのは、なかなか繋がらないことだと、皆様ご経験あると思います。待ち時間を減らすためには、オペレータを増やせばよいというのも、1つの解決方法だと思いますが、簡単にオペレータを増やせないのがコールセンター共通の課題なのです。
-簡単にオペレータを増やせない要因は、主に何があるのでしょうか。
土屋:まず1つ目に、弊社だけでなく、コールセンター共通の課題だと思いますが、問い合わせ数は繁忙期と閑散期があり、ひと月のなかでも変動します。しかし、オペレータ数を需要に合わせてきめ細かく調整することは難しく、それ以上に人材確保が十分にできない状況なのです。
そして2つ目に、オペレータの育成期間という観点があります。オペレータの育成には数か月を要します。
つながるコールセンターを実現し、そのうえでお客様のニーズにきめ細かく対応する。つまり顧客満足度の向上とオペレータの効率化、この相反する課題を解決するためにはこれまでの方法では解決できません。弊社ではこの課題を解決するためにLINE AiCallの導入を決めました。LINE AiCallのもつ、なめらかな音声合成と高い音声認識精度 / 導入に向けてのフォローアップ体制が決め手
-どれくらい前から、LINE AiCallの導入を検討し始めたのでしょうか。
土屋:2021年の夏くらいから検討を始めました。ボイスボットを導入している事例は多くなく、最初は発展途上のテクノロジーなのでどこまでできるのかを確かめることから始めました。さらにコールセンターは様々なシステムが連携して運営されています。ボイスボットも当然単独ではなく、他のシステムとの連携が必要となります。システム間の連携の検証も必要でした。結果として半年ぐらいかけて、複数社のサービスを検討し、LINE AiCallの導入を決めました。
-複数社検討されたとのことでしたが、その中でLINE AiCallを選んだ、決め手はどの様なものだったのでしょうか。
土屋:選定時にLINE AiCallのデモを見たときに、思っていた以上に音声認識は正確で発話も自然だったので、これなら行けるということになりました。選定にあたって、音声認識や合成音声の性能を重視することは、言うまでもありません。それがこちらの求める基準に到達していなければ、他の機能がいくら優れていても選ぶことはできません。そこの基準を満たした上で、LINE AiCallを選択した理由には、電気通信事業者である弊社の非常に高いセキュリティー基準も満たしていたこと、あとは音声認識の向上やシナリオ設計などを行うための体制作りにご協力いただいた点がLINE AiCallを選んだ理由として挙げられます。
-LINE AiCallの担当チームとは、どの様なやり取りをしていたのでしょうか。
土屋:毎週お打ち合わせを行い、お客様が聞きやすいアナウンスにするためにはどうしたらよいか、
迷わないようなシナリオにするためにどう設計したらいいかなどを、両社で議論しながら進められたのは、非常に助かりました。有人オペレータとAIオペレータのハイブリッド型を目指す
-今回のLINE AiCallの導入は、どの様な場面で活用をスタートしたのでしょうか。
土屋:電話での問い合わせでは、「問い合わせ内容の確認」「本人確認」「内容に応じたオペレータへの振り分け」プロセスが基本となりますが、その中でも最初の導入は「本人確認」に決めて、スタートしました。
-すべて、LINE AiCallのみで対応完結するのでしょうか。
土屋:いえ、一気にAIに任せるのではなく、段階的に導入することで、有人オペレータとAIオペレータとのコンビネーションの最適化を図ることを念頭に、設計しています。まずは「本人確認」業務で導入し、次にお客様の問い合わせをLINE AiCallの音声で聞き取る「問い合わせの確認」を行い、最終的にIVRの長い音声ガイダンスを聞くことなく、お客様が適切なオペレータへつながる「内容に応じたオペレータへの振り分け」を行う予定です。
-有人オペレータとAIオペレータのハイブリッド型を目指されているのですね。
土屋:そうですね。最終的には、定型・簡素な応対業務についてはLINE AiCallでの手続きの自動解決により、AIオペレータの自動化を進めていき、複雑な問い合わせ・ご相談については、LINE AiCallで重要なヒアリング事項の聞き取りにより、オペレータで応対しつつ、LINE AiCallによる業務効率化を図っていきたいと思っています。
図はスライドできます
今後の展望
-今後についてですが、3年後、5年後のコールセンターはどの様にあると、お考えでしょうか。
土屋:3年後、5年後のコールセンターであっても、”速やかに解決できること”という本質は変わらないと思います。定型化された内容は、ボイスボットで対応し、オペレータが対応すべき複雑な相談事項や、オペレータの提案が必要なお問い合わせは、オペレータが行うことで、カスタマーの満足度を向上できるカスタマーコンシェルジュ的な立ち位置という役割で、コールセンターがアップデートされていくのではないかと思います。
-同じグループ会社であるということも踏まえ、今後も様々な連携を強化できたら嬉しいですね。
土屋:はい、同じグループ企業であるという強みも活かしつつ、LINEが持つ画像認識技術や自然言語処理などの最先端のAI技術を活用し、積極的にキャッチアップできるストラテジックパートナーでもありたいと思います。よりよいお客様サポートの実現を目指して、今後もパートナーとして協力していければと思います。
LINE AiCallの3つの導入理由
季節繁忙時の際の負荷、応対内容の有人オペレータの負担軽減
なめらかな音声で、自然な応答を実現
導入に向けてのフォローアップ体制、密な情報連携を実施
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