

オンライン買取モールにeKYCを導入
リユース事業者とお客様、双方に最適な買取体験を


株式会社KLD
代表取締役 伊東健太様(右)
オペレーションマネージャー 小倉修久様(左)
- 業種: 中古衣料・服飾品のリユース事業、
システム開発・コンサルティング事業 - 導入製品: LINE eKYC
掲載日:2023.2.16
※本文内の社名などは掲載日時点のものです
課題
「すぐ売りたい」お客様も本人確認に時間がかかる
法令を遵守した本人確認を行いたい
本人確認にかかる手間とコストを削減したい
成果
郵便代や郵送にかかる金銭的・人的コストがゼロに
セキュリティを担保しながら確認フローが3分⇒30秒に
オンライン買取モールの運営で業界活性化を支援
福岡県糸島市に本社を置き、オンラインの中古衣料・服飾品の買取・販売事業を展開する株式会社KLD様。新事業として提供を開始した中古品のオンライン買取モール『mesee(ミーシー)』に、オンライン本人確認『LINE eKYC』を導入しました。出店企業(リユース事業者)とお客様、双方の利便性を高めるeKYCが、オンラインリユース取引のスタンダードになる世界を思い描きながらリユース事業のDXを進めています。
オンラインリユース事業の裏側で、アナログな本人確認が負担になっていた
― 創業以来一貫して、リユース事業のデジタル化に取り組まれていますね。
伊東様:弊社は2016年に創業し、2018年からオンラインでの中古衣料品の買取サービスを開始しました。中古衣料を売りたいお客様にとって、従来の選択肢は、「リサイクルショップに持っていく」か「フリマアプリで自ら売るか」のほぼ二択でした。そんな中で新たな選択肢として登場した宅配買取でしたが、弊社がサービス提供を開始した頃は、一般的にはよいイメージを持たれていないといいますか、「宅配買取って安いよね」みたいなイメージを持たれていたと思います。そのイメージを何よりも覆したいと思っていたんです。「オンラインだから高く売れるんですよ」と訴えたかったんです。
宅配買取のお客様側のメリットは、意思決定をその場で求められる対面の査定よりも売るかどうかじっくり検討でき、お客様自身で出品・発送し、個人間で取引しなければならないフリマアプリよりも信頼性や簡便性を担保できることだと思っています。また、せっかくオンラインにするので、お客様が査定に納得できる透明性の高い取引を行えるよう、たとえば査定額だけでなく、買い取った品をいくらで売るか公開する、査定明細をすべてWeb上で見られるようにするといったシステムの構築が必要です。― オンラインでの買取で苦労された点はありますか。
非対面の場合は、古物営業法や犯罪収益移転防止法を遵守すると厳格な本人確認が必要で、お客様が「すぐ売りたい」と思っても、どうしても時間がかかるといった障壁もありました。また、店頭と違ってお客様情報の入力や銀行口座の登録、本人確認等、実際の買取までの過程がたくさんあります。お客様が途中離脱しないよう、ストレスのかからない細かなオペレーションが求められます。
弊社も開始当初は、申込にはGoogleフォームを利用し、査定結果はメールやLINEといったテキストベースでお知らせする非効率な方法でした。しかし、徐々に自社でシステム化を進め、オペレーションを改善していきました。その結果、買取件数は年々増加し、直近2年は180%~190%に近い成長率で、特にリピートのお客様の増加が顕著です。
― オンライン本人確認(eKYC)は何をきっかけに知ったのでしょうか。
伊東様:オンライン本人確認(eKYC)を最初に知ったのは、たしか2020年頃で、リユース業界のテクノロジー活用などを紹介するイベント「Reuse × Tech Conference(リユーステックカンファレンス)」だったと記憶しています。
その当時、UIを工夫しデジタル化を進めても、本人確認だけはかなりアナログでした。お客様の本人確認の登録内容を確認し、その住所に転送不要郵便を送付するのですが、追跡番号で状況を確認できるよう書留にする必要があります。書留は郵便局からしか出せないため不便で、送料も時間もかかります。途中からレターパックライトに変えましたが、書類を印刷して封入する手間は変わりませんでした。それでも「法令を遵守したスキームを示すべきだ」と強く思っており、厳格にする以上、手間がかかるのは当然だとも考えていました。
そんな中で、eKYCにぐっと興味がわいたのは、実際にeKYCサービスを提供する何社かに話を聞いてからです。eKYCを利用すれば法令を遵守しつつ、転送不要郵便の発送が省略できるとわかり、業務オペレーションの効率化ができそうだ、すごくいいなと思いました。しかし同時に、価格がちょっと高いと感じたのも正直なところでした。
ただやはり、本人確認はリユース事業の日常的な業務の一環です。ここをスムーズにすれば年間でかなりの時間とコストを削減できます。手間の軽減は事業者側だけでなくお客様にとってもメリットのある施策です。古物営業法も法改正で複雑化し取引も煩雑になる中、業務効率化をはかるにはこのソリューションしかないと、自分なりに調べて確信を得ました。― いくつかあるeKYCサービスの中で、『LINE eKYC』を選んだ理由を教えてください。
伊東様:『LINE eKYC』は、使いやすい料金体系に魅力を感じましたし、システム開発の視点でもわかりやすいAPIの仕様書を用意してくださっていたので、安心感がありました。細かなサポート体制で、質問にもすぐ回答いただけるのも助かっています。私たちの既存システムへの組み込みもスムーズで、導入決定から稼働まで4ヶ月ほどでしたが実際の実装には半月もかかっていなかったと思います。かなりのスピード感でした。
何より大きかったのは、多くのお客様がすでに日常的に利用し安心感が担保されているLINEのサービスだという点です。長期的な目線で見た時、古物取引以外のさまざまな分野でも、『LINE eKYC』が本人確認のスタンダードになっていくのではないかという予感がします。リユースのプラットフォームサービスで、業界全体を活性化
― 『LINE eKYC』導入後、どのような変化がありましたか?
小倉様:まず事業者の立場でいえば、転送不要郵便にかかるコストが不要になりました。単純な郵便料金だけでなく人件費も削減できた上に、業務負担自体がなくなり非常に楽になっています。
これまでの本人確認のフローでは、データが様々な場所に分散し、情報を集めて確認することに非常に手間がかかっていました。LINE eKYCの導入後はそういった課題が解消し、1件あたり3分ほどかかっていた作業も30秒ほどで完了するようになりました。セキュリティの仕組みになるので多くは語れないのですが、身分証明書という重要な個人情報を扱うに際しても十分な配慮がされている点も非常にありがたいです。伊東様:お客様の立場からすれば、「今売りたい」という一番熱い気持ちのまま送ることができるのは大きなポイントだと思っています。簡単な本人確認の手続きですぐに物品を送れる、手間がかからないのは大事です。『LINE eKYC』の画像認識は、精度はかなり高く信頼感があります。ただ、セルフィー(自分の顔写真)を送ることに抵抗があるのか、離脱されるお客様が一定数いるのは次の課題です。
― 今回、LINE eKYCを導入された『mesee』事業について、詳しくお聞かせください。
伊東様:弊社ではリユース取引のデジタル化に取り組み続け、4年かけて一定の成果を出してきました。これまで培ってきた知識や仕組みをプラットフォームとして提供し、多くのリユース事業者とルールを共有すれば、リユース業界全体の利益向上につながると考え、2022年11月、リユースのプラットフォームサービス『mesee(ミーシー)』をリリースしました。
『mesee』はいわば中古品のオンライン買取モールです。衣料だけでなく、家電やホビー、ガジェット、スマートフォンなどを扱う日本全国のさまざまなリユースストアが『mesee』に出店し、売りたいものがあるお客様は、自分が売りたいとうお店に査定・買取を依頼することができます。
弊社としては、リユース事業者のデジタル化を支援して多くのリユース事業者がオンライン上で買取サービスを提供することで、結果として「モノを売りたい人が、今よりもたくさんのモノを売る選択肢がある。モノを売りたい人もモノを買取りたいリユース事業者も、共にハッピーになる」そんな世界を目指しています。eKYCはこのプラットフォーム作りのコンセプトにも合致すると考え、導入を決めました。
そもそもの話ですが、リユース事業って何かと忙しいんです。DX人材も不足しており、“デジタル化が必要だ” “eKYCが便利だ”と感じていても、新しいツールの導入にリソースは割けません。その点、『mesee』は、オンラインリユース事業を立ち上げたい事業者に配送や事前査定、本人確認(eKYC)、お客様情報の一括管理といったすべてのオペレーションを提供しています。「ここでeKYCが使えるなら手っ取り早いね」と、eKYCを起点に『meesee』に参入する事業者も実際あります。まだスタートしたばかりですが、すでに参入を決められていて、オープンしていないストアもこれから順次オープンしていくところです。― 今後の展望をお聞かせください。
伊東様:フリマアプリの隆盛もあって、二次流通領域は盛り上がっています。その中でまだデジタル化が進んでいない部分、各事業者で抱えている課題に対し、eKYCや我々のシステムで支援し、業界全体のDXを推進していけたらと考えています。また、お客様側がより簡単に見積を取れる世界観も目指したいですね。「どこに売ればいいかわからない」というお客様に対して、『mesee』が見積依頼を請けて、各事業者に「こんな見積依頼がきています」と自動的に発信するような仕組みを構築していければ、リユース業界はますます発展していくのではと思い描いています。
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