LINEヤフー株式会社
製品・サービス
LINE WORKS OCR
お話を伺った方
LINEヤフー株式会社 Wallet事業室 Wallet企画チーム 鈴木康介様

「多種多様なレシートを正確にテキスト化」LINE WORKS OCRの高い認識率が叶えたストレスのないユーザー体験と新しい購買の可能性

 

本事例のポイント

-課題:

・店舗ごとに異なるレイアウトのレシートに対応できる正確な認識精度
・ユーザーがストレスなく習慣化できる使いやすさ
-期待:

・ユーザーにとって簡単で、かつストレスのないサービスを提供するための認識率と認識スピード
・店舗ごとに異なるレシートを正確に認識するAI-OCRの技術力
・AI-OCRだからこその学習による認識精度の向上と定期的な技術開発のアップデート
-成果:

・ほとんどのフォーマットのレシートを正確に読み取りができる
・「LINE家計簿」よりも認識率が10%向上
・サービス提供開始1ヶ月で想定の約4〜5倍の利用者数突破
・LINE WORKS OCRでデジタル化したデータをサービスの新たな価値へとつなげる汎用性

 

LINEレシートとは?

2021年1月に提供開始した、レシートを撮影するだけで、簡単に支出管理ができるレシート管理サービスです。

LINEの「ウォレット」タブから利用することができ、レシートを撮影して登録すると、記載された項目を「LINE WORKS OCR(レシート・領収書特化型)」が認識し、支出情報を自動に「利用レポート」へ反映します。日々のレシートによる支出額を把握することで、支出状況の分析ができ、節約をサポートします。

 

 

家計簿需要が高まる中、ユーザーのニーズに応え、レシートでの支出管理に特化した「LINEレシート」

 

鈴木さん :

「LINEレシート」は、LINEアプリの「ウォレット」タブからすぐに利用できるレシート管理サービスです。

家計簿・資産管理サービスの「LINE家計簿」も提供しているのですが、そこからレシートによる支出に特化することで、入力の手間や煩雑さをなくし、よりユーザーにとって簡単で続けやすいサービスへと再構築しました。

 

サービスを再構築した理由は、2つあります。

1つは、写真を撮影するだけというシンプルな機能によって、支出管理を習慣化してもらうことができないかと考えたからです。「LINE家計簿」のユーザーボイスの中に、支出管理をしたいユーザーにとっては、手書きの家計簿はなかなか習慣しづらいというお声が多く、まずはそういったユーザーの習慣化のサポートができる機能が必要だと考えました。

 

2つ目は、もらってもすぐに捨ててしまうレシートを、手軽に電子データ化する仕組みを作ることで、ユーザーにメリットがある形で、新しい価値として提供できないかと考えたからでした。

 

 

コミュニケーションアプリとして、国内8,800万人(インタビュー当時)に日々ご利用いただいているLINEアプリですぐに利用できるサービスであることを強みに、よりシームレスに支出管理を習慣化してもらいたい。

そのような思いから、レシートによる支出管理に特化したサービスとしてリリースしました。

2021年1月より提供開始したのですが、想定を超えるユーザーにご利用いただき、登録されたレシートはリリースから一ヶ月で1,000万枚を超えました。ユーザー数が増えるたび、そして継続的にご利用いただいているという結果から、必要な機能だけをシンプルに使えることへの価値を感じていただいていると実感します。

 

そして同時に、「LINEレシート」がこれだけ多くの方に継続的にご利用いただけている理由は、レシートから正確にテキストを読み取りデータ化してくれる技術があってこそだと考えています。

実はレシートというのは決まった形式がなく、店舗ごとに文字のフォントも、商品名の書き方も、合計/小計、消費税などの記載場所や表示形式がすべて異なります。我々のサービスを考えると、いかなるレシートであっても、正確に読み取る認識技術は不可欠で、どこのOCRを使おうか検討する際には、認識率は一番ゆずれないポイントでした。

 

また、認識スピードも意外と重要で、レシートを撮影した後に、OCRによりデジタル化され、OCRの結果が表示されるまでに時間がかからないことは、ユーザーへストレスを与えず継続利用していただくためにも、選定ポイントに加えていました。

 

 

OCRリプレイスの理由は、高い認識精度とアップデート後に改善された読み取りの速さ

 

鈴木さん :

「LINE家計簿」と 「LINEレシート」は同じ事業部なこともあり、同じメンバーによって開発されているのですが、「LINEレシート」の開発にあたって、大きく変更した部分がOCRのリプレイスでした。

OCRの読み取り内容を後工程で確認していますが、読み取り精度が高いので、業務負荷がとても低いです。エラーが発生した場合も、設定の調整やLINE WORKS OCRのバージョンアップが入ったこともあり、日々改善できていると実感しています。

 

OCRを選ぶ上で最も重要視していたことは、1つはどんなレシートも正確に読み取る「認識率の高さ」、

もう1つはレシートの読み取り後にすぐに結果を表示させる「読み取り速度の速さ」です。

3〜4年ほど前の「LINE家計簿」の開発時もLINE WORKS OCRは候補に上がっていたのですが、認識率は申し分なかったものの、文字を読み取るまでの時間が今よりも長くかかっていたそうで、当時は読み取り速度を重視し、他社のOCRが選ばれました。

 

それからLINE WORKS OCRの技術開発が進み、読み取り速度が改善されたとのご提案をいただき、再び比較検討することになりました。話を聞くと、読み取り速度の改善だけでなく、レシートの読み取りに特化したエンジンも開発され、高い認識率でレシートのテキストデータ化を行うだけではなく、さらにレシートに特化した項目ごとに分類してくれるということもわかりました。我々の事業イメージとしては、レシートから読み取ったデータを応用し、ユーザーにとって更なる価値のあるサービスにしていきたいと考えていたので、このアップデートは魅力的でした。

 

 

実際に我々の方でも、LINE WORKS OCRを使って、さまざまなレシートの読み取りテストを行う実証実験をしたのですが、読み取りスピードがとても速くなっており、「LINE家計簿」で以前に使用していたOCRよりも認識率が10%ほど上がったという結果が出たので、我々としてはLINE WORKS OCR以外に選択肢はない、くらいの決断で、採用することを決めました。

 

さらに魅力的だと思ったのが、LINE WORKS OCRはAI-OCRなので、どんどん学習して精度を高めていけることです。技術開発に関しては、随時アップデートされているようで、店舗ごとに異なるレシートの特徴を日々学習し、幅広い種類のレシートを正確に読み取る技術をどんどん高めていただいています。そういった精度の日々の改善というところも、私たちとしてはとても助かっており、おかげで、「LINEレシート」を活用していただくユーザーにとってもストレスのないサービスとして提供できています。

 

 

サービス提供後のレシート登録数は想定以上に。サービスの可能性を感じるユーザーからの声

 

鈴木さん :

2021年の1月にサービス提供を開始し、リリースキャンペーンとして、レシートを登録するごとにLINEポイントをプレゼントするキャンペーンを行いました。キャンペーン効果はあると見込んでいたものの、結果として、

想定よりかなり多くの利用があり、大成功を収めました。

 

最初こそ、ポイント目当てのユーザーも多かったかとは思いますが、キャンペーン後も継続して使い続けていただいているユーザー数の多さを見ると、このサービス自体に価値を感じ、習慣化してくれていることがうかがえますし、改めてレシートを正しく読み取り、ストレスなくすぐに利用できる便利さは、重要だったと実感しています。

 

 

実際、SNSなどでユーザーの声を拝見していても、「LINEレシートだったら支出管理を続けられる」というお声が多く、便利さや精度が良いことへの驚きの声もあり、とても嬉しいです。また、ユーザーからの要望によって、サービスの新しい活用方法を知ることもあります。

例えば、学生のユーザーからのご要望で「支出データを家族と共有したい」というものがあったのですが、この要望から、親元を離れて生活されている学生さんが家計簿として「LINEレシート」を活用してくださっていることがわかりました。普段はそのデータをスクショして送っていたところ、もっと簡単に共有できたら嬉しいとのご要望で、個人での利用だけでなく、ご夫婦やご家族といった家計情報をシェアする場面でもお役に立てそうだと感じました。

 

最近聞いた話では、大手食品店(COSTCO)で大量に買い物をした時の長いレシートでも、一発で読み取ってくれたという話を聞き、認識精度の高さにも改めて満足していたところです。

支出入力して管理するというところに、きちんと価値を感じてもらい、毎月登録してくださるユーザーが増えることで、我々としても、ユーザーにとってさらに価値のあるサービスへと進化させていきたいと考えています。

 

 

日々の身近なレシートから、ユーザーにとって新たな購買体験を生んでいきたい

 

鈴木さん :

「LINEレシート」がこれから目指していくことは、ユーザーにとって価値のある購買体験をどう作っていくか、ということです。レシートを電子データ化するサービスは、すでに弊社以外の他社様でも数多く行っています。

しかし、LINEがこのサービスを提供する一番の強みとしては、レシートを読み込んだ後のデータ分析を店舗や企業単独ではなく、LINEを通じて横断して分析できることだと考えています。

 

たとえば、普段の購入履歴から予測される好みに合わせたお得情報のご紹介や、普段過ごされるエリアでのおすすめ情報などをレコメンドすることも可能になっていくと考えます。

単なる支出管理サービスではなく、ユーザーの趣味趣向に合わせて、より魅力的な購買体験へとつなぎ、レシートという捨てられてしまう存在を有効活用することで、購買というものをもっと便利に楽しくできるサービスへと、育てていきたいと思います。

 

 

LINEのコーポレートミッションでもある、CLOSING THE DISTANCE。その中で「人や情報/コンテンツ、オンライン/オフラインなどあらゆるものとユーザーがいつでも、どこでも最適な距離でシームレスに繋がっていく、LINEを入り口として生活の全てが完結する世界の実現を目指していきます」というメッセージがあります。

 

まさにこのミッションにのっとり、日常における購買行動に役に立つサービスとして、ハブのような存在になれたらと思っています。

 

 

LINE WORKS OCRの5つの導入利点

-世界最高水準の認識精度。
※文書解析と認識に関する国際会議(ICDAR:2019/3/29時点)で4分野にて世界No.1を獲得。
-レシートに特化したAI-OCRにより、店舗ごとに異なるレシートの認識だけでなく、項目分類まで対応。
-AI-OCRなので使い続けることで精度が上がり、技術開発のアップデートの頻度が多く安心。
-LINE WORKS OCRの技術を活用し、ユーザーにサービスを使い続けてもらう仕組みと、ストレスフリーな体験を提供。
-レシートを活用したキャンペーンなど、サービス価値の向上にも利用できるAI-OCR。

 

製品に関する詳細はこちら →

※掲載している内容(製品名含む)、所属やお役職は取材を実施した2021年8月当時のものです。